後見人の職務
成年後見人(保佐人・補助人)は、選任の審判が確定した時点で、その職務に就任します。
成年後見人(保佐人・補助人)は、申立ての理由となったこと(預貯金の引出し、遣産分割協議、不動産売却、抵当権設定など)が終わった後も、本人が亡くなるまでの間継続して、本人の状態や生活状況に配慮しながら、財産管理などの事務を行っていく必要があります。
なお、本人を保護することが成年後見人(保佐人・補助人)の職務ですので、本人の利益に反して本人の財産を処分(売却や贈与など)することはできません。また、株への投資などの投機的運用も避ける必要があります。
※誠に申し訳御座いませんが、現在当事務所は人手不足のため、成年後見業務については新規の受付を控えさせて頂いております。
以下は一般的な手続きのご説明として、ご参考頂ければ幸いです。
成年後見人(保佐人・補助人)が就任後に行う事務
1.財産目録および後見事務計画書の提出
成年後見人に就任してまず行うべきことは、1か月以内に、財産目録と後見事務計画書を作り、家庭裁判所に提出し、年間収支の予定を立てることです。
申立人が成年後見人等に選任される場合には、申立時に作成した財産目録のコピーを保存しておき、その後の変化を記載していくことで財産目録を作ることができます。
2.後見登記事項証明書の取得 ~ 銀行等の手続
後見開始審判が確定すると、家庭裁判所が後見の登記をしてくれます。後見登記事項証明書に、本人と後見人の情報が記載されますので、この証明書で自分が後見人であることを証明できます。銀行の手続などで常に提出を要求されます。
後見登記は、全国で東京法務局1か所のみ取扱っています。ただし証明書の取得は各都道府県の法務局本庁でも取り扱っています。最寄りの法務局で取れるわけではないため、基本的には郵送で取寄せになると思います。
3.日々の財産管理と家庭裁判所への定期的報告
成年後見人は本人の財産の全般的な管理(預貯金に関する管理,必要な費用の支払い等の管理)と、医療や介護に関する契約などの身上監護について、本人を代理して契約などを行います。
成年後見人(保佐人・補助人)は、家庭裁判所から求められたときに,財産管理などの事務の状況を報告しなければなりません。また、求められなくても、基本的に年に1度定期的に報告書を提出します。そのときに困らないよう,日頃から、通帳記入や金銭出納帳をつけるなどして収支を記録し、領収書などもきちんと保管しておく必要があります。